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携帯市場のニューノーマルを作り出す――楽天モバイルが「ZERO宣言」「eKYC導入」を発表
楽天モバイルは11月4日、オンラインのプレスカンファレンスを開催。手数料0円の「ZERO宣言」と、国内キャリアでは初の「eKYC」サービス導入を発表しました。
同社は9月30日に5Gサービスを開始し、名前を新たにしたプランも発表しています。第四のキャリアとして突き進む楽天モバイル。今回の発表内容を詳しく見ていきましょう。
ユーザーの負担を軽くするための「ZERO」
楽天モバイルが目指すのは、「携帯の常識を覆す」こと。コロナ禍で生活様式が変わったように、携帯業界においても“ニューノーマル”を生み出そうとしています。月額2980円のRakuten UN-LIMIT Vプランも、単一プランにすることでユーザーにとってわかりやすくし、どのキャリアよりも安い価格を売りにしています。
そこで今回発表されたのが、ZERO宣言。具体的には、「契約事務手数料」と「MNP転出手数料」を0円にすることを11月4日よりスタートします。三木谷CEOが言うように、「楽天モバイルなら入るのも出るのも0円」ということになります。
そもそも楽天モバイルは以前から「0円」をアピールしてきました。契約から1年間はプラン料金がかからず、5G利用に対する追加料金もなし。自社アプリRakuten Linkを使えば国内通話も無料。そして今回、契約事務手数料とMNP転出手数料もZEROに加わりました。ユーザーにとっては、楽天モバイルの新規契約(および他社への移動)の価格面でのハードルが少し低くなったといえます。
契約から利用までをよりスピーディーに
楽天モバイルが変えようとするもう1つの携帯市場の常識が、乗り換えにかかる手続きです。携帯ショップでの待ち時間、利用前に行う本人確認など、乗り換えにはとにかく手間がかかるもの。そこで楽天モバイルはeKYCというサービスを開始します。
まずeKYCが何なのかを簡単に説明しましょう。たとえば、銀行口座の開設やクレジットカードの発行などには本人確認を行う必要がありますよね。ただし身分証明書の写しを郵送したり、書類の受け取りに数日待ったりと、本人確認には何かと時間がかかります。
この本人確認をオンライン上ですべて行えるのがeKYC。身分証明書などと一緒に自分の顔写真を登録することで、本人確認をオンライン上で完結できます。オークションサイトやスマホ決済アプリなどで導入されていますが、キャリアで導入するのは楽天モバイルが国内初。MVNOではY!mobileが導入しています。
具体的な手順はというと、専用アプリで運転免許証を撮影しアップロード。続けて自分の顔(横顔や目を閉じた状態など複数パターン)を撮影し登録すると、すぐにAIが2つの画像を見て本人かどうか確認を行う仕組み(AIの確認後、人の目による確認も行われるとのこと)。
通常のeKYCはオンラインで手続きできるものの、人が確認を行うために即座にサービスの利用開始できるわけではありませんでした。しかし、AIが確認を行うためにすぐに本人確認を完了することができます。今後はマイナンバーカードにも対応予定とのこと。サービスは11月9日より開始予定です。
また、楽天モバイルはeSIM(スマホに機能として組み込まれたSIM)も提供しています。オンライン上で契約するだけでモバイル通信を設定できるのがメリットで、物理的なSIMカードのように配送を待つ必要がなく、端末にSIMカードを挿し込む手間も要りません。
eKYCとeSIMを合わせれば、本人確認が即日完了し、モバイル通信もすぐに利用が可能に。従来のオンライン契約にかかる手順を大幅に短縮することができるとしています。
プレスカンファレンスに登壇した楽天モバイルの三木谷CEOは、ZERO宣言やeKYC導入について、何よりもユーザーの利便性を高めて負担を軽くすることが目的であると述べていました。ユーザーにとってのあらゆる障害を取り払い、利用のハードルを低くすることが、楽天モバイルの目指すニューノーマルなのでしょう。
また、Rakuten UN-LIMIT Vプランに申しむと8000円相当のポイント還元が受けられる新たなキャンペーンも発表されました。さらに端末購入者には最大2万円相当(機種によって異なる)のポイントを還元するとのことです。