プレゼンテーション「【PayPay】1周年記者発表会」

PayPay株式会社 / 技術

【PayPay】1周年記者発表会

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PayPay「スーパーアプリ」を目指す。決済から全てをPayPayに

PayPayは13日、1周年記念記者発表会において新たなキャンペーンとともに今後の事業戦略を発表。店頭決済だけでなく、オンライン決済や金融など利用の幅を広げ、「PayPayはスーパーアプリを目指す」(PayPay中山社長)という。

立ち上げ1年弱で1,250万人。ATMチャージが好調
PayPayは、2018年10月5日にスタート。まだ1年弱のサービス期間だが、ユーザー数は1,250万人、加盟店140万、決済回数は1.4億回(9月13日時点)を達成。8月8日には1,000万人と1億回と発表していたが、1カ月で大幅に利用者・回数を伸ばしたことになる。中山社長は「決済回数が一番重要。ユーザーとのエンゲージメントの高さを証明している」とし、「使われている決済」としてのPayPayをアピールした。

PayPayの中山一郎社長は、1年間の取り組みを「加盟店」、「アプリ」、「ユーザー」の3つの要素で説明。加盟店は、毎週のように大型店のPayPay対応ニュースリリースを出していることや、コンビニ、ドラッグストア、スーパーなど業界ごとにキャンペーンと連動して開拓していることを紹介。PayPayの全国に広がる営業網を使って、地域チェーンでの対応も進めている。

アプリは、1年弱のサービス期間で60回ものアップデートを実施。サービス開始時のトップ画面と、最新の画面を比較し、機能やUIを次々に拡充していることを強調した。機能強化や改善を迅速にできるのは、「PayPayが開発をすべて内製しているから。インド・カナダ・日本の3拠点で24時間開発が行なわれており、このスピード感が60回のアップデートにつながっている」とした。

機能強化の中でも強調して紹介したのが「チャージの多様化」。ソフトバンクのスマホとの「まとめて払い」や「ヤフオク売上金」、「セブン銀行ATM」などに対応している。その中でもセブン銀行ATMは想定以上に使われているという。「日本では、多くの人が電子マネーを駅や店でチャージした経験をもつ。この体験をPayPayでも実現してよかった。そう実感できる数字が出ている」という。

10月以降には銀行口座登録のUI改善を実施。「マップ」機能の強化や、Apple Watch対応など、今後もアプリ機能の強化を進めていく。

生活のすべてをスマホで実現「スーパーアプリ」。ヤフーとの違いは?
さらに、これまでの「店頭決済(オフライン)」としてのPayPayから、オンライン決済や、請求書払い、個人間譲渡など、PayPayの活用シーンを広げていく。オンライン決済は、ヤフオクやロハコなどでは対応済みだが、ヤフーによるZOZO買収とともに「ZOZOTOWN」へのPayPay導入も予定。より多くのオンライン決済での対応を目指す。また、請求書払いも対応する公共料金や税金などを増やしていく。

この方針を中山社長は「スーパーアプリ」と表現。「PayPayは単なる決済アプリでなく、多機能のスーパーアプリを目指す。日常に必要な機能を網羅してスマホの上で実現、チームソフトバンクの新しいプラットフォームアプリになる。金融、オフライン、公共料金・税金、O2O、ソーシャル、P2P。すべてスマホのPayPayに実装して提供する。それがPayPayの未来」と語った。

スーパーアプリを目指す理由は「世界の潮流」として、インドの「Paytm」、中国の「Alipay」、インドネシア「Grab」などに言及。「入り口は配車アプリかもしれないが、支払手段と結びついているので、手元であらゆる事ができる。公共料金の支払いやチャージ、フードデリバリー、旅行のチケットなどが、自分の手元で完結できる。それをスーパーアプリと呼んでいます。PayPay IDとサービスをつないで、ヤフーやソフトバンクのIDとも連携。それぞれから利用可能にする」という。ヤフーが提供予定の「PayPayフリマ」「PayPayモール」なども、この枠組の中で、ヤフーのアプリからもPayPayからも利用可能になる予定。

DiDiの連携や、コカ・コーラの自販機用アプリ「Coke ON」対応も、スーパーアプリ化の一環。パートナー企業にAPIを提供し、PayPayと様々なサービスをつないでいく。

なお、ソフトバンク/ヤフーグループには、「Yahoo! JAPAN」アプリなど、複合サービスを集約したアプリも存在する。ヤフーのアプリとPayPayとの違いについては、「ヤフーは情報を通じて利便性を提供する。これはこれからも進化する。PayPayは決済、支払いを通じてすべてのユースケースを叶える。ある意味補完関係にある。PayPayも使う、ヤフーも使うという形でユーザーに便益を提供していく」とした。

ソフトバンクショップでサポート。手数料モデルではなくスーパーアプリで収益化
PayPayの拡大は、2回の「100億円キャンペーン」などキャンペーンの効果が大きい。今後も「決済回数」の拡大のためのキャンペーン施策を展開していく方針で、その一環として10月5日の1日限定20%還元「感謝デー」や、経済産業省のキャッシュレス・消費者還元事業連動キャンペーンなどを実施する。

また、Coke ON Payとの連携やDiDiとの新たなキャンペーン(27日発表予定)、ユニクロのヒートテック連動など、パートナーとの共同キャンペーンを強化する。

これらの拡大施策に加えて、不正利用対策も強調。8月に発表済みだが、不正利用の全額補償や加盟店への補償を規約に明文化。また、ユーザーへの24時間365日の問い合わせ窓口を設置。「この手の決済事業者では例が無いかもしれないが、困ったときにお答えするのが事業者の責務」とした。

ユーザーサポートの強化として、ソフトバンクショップでのサポートを行なう。ソフトバンクユーザーには提供済みだが、今後は「ソフトバンク以外」のスマホ利用者もPayPayに関する質問を、ソフトバンクショップで対面で受けられるようにする。

また、PayPay、ソフトバンク、ヤフー、ワイモバイルのソフトバンク グループ4ブランドが「ニッポンPayPayPay!プロジェクト」を共同展開。PayPay以外の3社も10月に向けて順次プロジェクトを発表予定という。

PayPayの収益化については、「もちろん考えているが、当面はトランザクション(利用回数)を増やすことを優先している。詳細は明かせないが、『決済事業での収益化、手数料モデルを目指しているのではない』とは言える。我々はスーパーアプリを目指している」と説明した。