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KDDI「じぶん銀行」子会社化 カブドットコムへの出資比率拡大も
KDDI(au)は12日、三菱UFJ銀行との共同出資会社「じぶん銀行」(東京)を子会社化すると発表した。同時にインターネット証券大手カブドットコム証券に4月下旬以降に株式公開買い付け(TOB)を実施し、出資比率を49%まで引き上げる。
中間金融持ち株会社「auフィナンシャルホールディングス」を4月1日付で設立し、銀行や決済サービス、資産運用などの金融事業5社を傘下に置く。携帯電話など通信関連の収入が頭打ちになる中、携帯契約者の顧客基盤を活用して収益源を多様化する。
KDDIの高橋誠社長は東京都内の記者会見で「これから金融サービス(の取引)はスマートフォン中心になる」と強調。スマホ決済を近く始めるほか、1つのスマホ用サイトから多様な取引ができるサービス構築を目指す。楽天、LINE(ライン)などIT企業も個人向け金融サービスを加速しており、業界の垣根を越えた競争が激化しそうだ。
現在、KDDIと三菱UFJはじぶん銀行の株式を折半で保有している。KDDIは4月1日付で、じぶん銀行が実施する総額約250億円の第三者割当増資を引き受け、出資比率を63.78%に引き上げる。社名も「auじぶん銀行」に変更する
またカブドットコム証券は現在、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)全体で約59%を保有しているが、TOB後はMUFGが51%、KDDIが49%になる。社名は「auカブコム証券」に変更する。同証券は上場廃止になる見通し。