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KDDIが「auフィナンシャルホールディングス」設立、「スマホ金融」実現へ、ネット証券にも参入
スマホ中心の決済・金融体験を
KDDIは2月12日、決済・金融事業の強化を目的に、中間金融持株会社「auフィナンシャルホールディングス株式会社」を設立し、スマホ・セントリックな決済、金融体験を総合的に提供する「スマートマネー構想」を始動すると発表した。
KDDIは4月1日付 (予定) で、KDDIの子会社となるじぶん銀行、KDDIの子会社であるKDDIフィナンシャルサービス、ウェブマネー、KDDIアセットマネジメント、KDDI Reinsuranceの5社を「auフィナンシャルホールディングス」の傘下に移管する。また「auフィナンシャルホールディングス」傘下の5社、KDDIグループのau損保、カブドットコム証券の社名を、2019年度中にauブランドを冠した名称に統一する予定だ。
1月30日に設立されたLDF設立準備株式会社は、4月1日付で「auフィナンシャルホールディングス株式会社」に商号変更する。持株比率はKDDI 100.0%。発行済株式総数は4,000株。資本金は1億円。
KDDIグループは2008年にじぶん銀行を設立し、モバイルに特化したインターネットバンキングをいち早くスタート。2014年にはau IDを軸にネットとリアルを融合する「au WALLET構想」を始動。「au WALLET」は2000万超のユーザーが申込みをしており、au WALLET残高およびWALLET ポイント残高は1000億円以上、au経済圏流通総額は2.5兆円まで拡大している。
KDDI (au) の「スマートマネー構想」は、生活の中心となったスマートフォンを預金、決済、投資、ローン、保険といったあらゆるサービスの入り口とし、利用者にスマホ・セントリックな決済、金融体験を総合的に提供するというもの。今後「au WALLET」を軸に、貯める、支払う、殖やす、借りる、備えるといった、お金にかかわる活動をワンストップで提供し、サポートしていくとともに、利用者ひとりひとりのライフプランに寄り添ったサービスを拡充していく予定だ。
「au WALLET アプリ」については4月から段階的に刷新し、新たなスマホ決済サービス「au PAY」を利用可能にする。また、家計診断やライフプラン診断などの機能を段階的に拡充していくとともに、2019年夏以降、au ID、WALLET ポイント、au WALLET アプリ、au PAYのサービスにおいて、au携帯電話を保有していない人にも利用できるよう対象を順次拡大していく。
ネット証券ビジネスに参入
KDDIは完全子会社として設立予定のLDF合同会社が、三菱UFJフィナンシャル・グループの一員であるカブドットコム証券の普通株式、新株予約権を公開買付けにより取得することを取締役会決議で決定。買付代金は876億9310万5435円(公開買付けにおける買付予定数156,874,965株に公開買付価格559円を乗じた金額)。
三菱UFJ証券ホールディングスは現在、カブドットコム証券株式を176,474,800株を保有し、所有割合は52.94%。今回の公開買付けによって、三菱UFJ証券ホールディングスと公開買付者であるLDF合同会社の議決権の保有割合を、三菱UFJ証券ホールディングス51%、公開買付者49%とすることを目指している。
KDDIは「貯蓄から資産形成へ」の流れを推進するため、カブドットコム証券と2016年8月以降業務提携を行ってきた。今後はスマートフォンと親和性の高いネット証券ビジネスに参入し、金融サービスをさらに拡充するとしている。
また「KDDI Open Innovation Fund 3号」において設定している「投資プログラム」に「FinTech Fund Program」を新たに追加。KDDIとauフィナンシャルグループは、積極的にFinTechベンチャー企業との事業共創に取り組んでいく。